ダイレクトリクルーティングとは?

ダイレクトリクルーティングとは、企業が求める人材を直接スカウトする採用手法のことをいいます。

従来の求人メディアや人材紹介では、媒体運営会社や人材紹介会社を通じて母集団を集めて選考を行う「待ちの採用」が一般的でした。

対して、ダイレクトリクルーティングは第三者を介さずに、企業が直接求職者にアプローチする「攻めの採用」手法です。

人材データベースを持つ企業のダイレクトリクルーティングサービスを利用するほか、facebookやTwitterなどのSNSを活用するソーシャルリクルーティングや、社員紹介のリファラル採用などもダイレクトリクルーティングに含まれます。

自社にエントリーしてきた求職者を対象とする従来の手法と異なり、企業が自社にマッチする人材へ直接アプローチすることができるため

「優秀な人材を確保しやすい」

という点でもダイレクトリクルーティングが広がってきています。

特に認知度が低い企業の場合、まず自社を知ってもらうための手法としても注目されています。

ダイレクトリクルーティングが広まる背景

①リアルイベントが行えない

学生の就職活動や企業の採用活動が長期化していることによる採用コストの高騰や、ウィズコロナによって採用のオンライン化が普及しています。

また、合同説明会なども積極的には行えない点から昨今では、新卒採用でもダイレクトリクルーティングを取り入れる企業が増加しています。

②少子高齢化の加速

日本では少子高齢化が進み、労働人口が減少する中で採用難が今後も続くと予想されています。

働ける人材が減少するということは採用市場が売り手市場になるということです。

このまま従来の「待ちの採用」だけでは

・応募者が集まらない

・必要な人材を確保できない

このような問題が起きます。

③SNSの浸透

ダイレクトリクルーティングが広まる後押しをしたのは、採用チャネルの多様化です。

各企業が独自にビジネスSNSを形成することが当たり前となったことや、人材データベースを提供する企業が増えたことも相まって、企業が応募者と直接接点を持つ機会が増えました。

従来の求人メディアや求人広告のコストが負荷となっていた企業にとっても、SNSは魅力的且つ取り入れやすい手法です。

また、ウィズコロナによって転職セミナーなどが減る一方、オンラインなどでいかに

「自社が必要としている人材をどれだけスピーディーに採用できるか?」

このような点が、事業戦略上より重要ポイントとなり、各社が積極的に採用活動をおこなっているため、ダイレクトリクルーティングが広がってきました。

④求人件数の飽和、求人広告費用の高騰

企業同士の人材獲得競争は激しくなるばかりです。

その結果求人広告を出す企業が増えたことで、広告掲載費用も年々増加し続けています。

また、同じ料金でも求人広告の掲載枠が以前より小さくなることで、多くの企業が同じような求人広告を出しているため、自社の求人広告は埋もれてしまいます。

求人を出す企業としては、広告掲載費用が高くなっているわりには、応募者の目に止まりにくくなっているという厳しい状況が続いています。

そのため、求人を行う多くの企業がより費用対効果の高い採用手法を求めるなかで、ダイレクトリクルーティングが注目されるようになりました。

ダイレクトリクルーティングに向いている企業

①中小企業・スタートアップ企業

中小企業やスタートアップ企業はダイレクトリクルーティングに向いています。

求人サイトで掲載しても、求職者は知名度のある会社に流れていく傾向があり、選考辞退や内定辞退も中小企業に多く見られます。

そこでダイレクトリクルーティングを活用することで、自社が必要とする人材に直接アプローチを行い、自社の魅力や人材の必要性を伝えることで自社にマッチした人材を獲得できる可能性が高まります。

②希少性の高い人材を獲得したい企業

希少性の高い人材とは「エンジニア」や「いくつものスキルをかけ合わせて持つ逸材」などが該当し、時間をかけても採用したいと考えます。

そういった場合、ダイレクトリクルーティングを活用することで、戦略を立てながら長期に渡って採用活動が行えます。

自社の魅力や社風、福利厚生など求職者が知りたい情報を直接伝えることでより、希少性の高い人材を獲得しやすくなります。

ダイレクトリクルーティングの始め方とは?

ダイレクトリクルーティングは、主に「SNS」「内定者・社員の紹介」「スカウトサービスの利用」の3つが挙げられています。

①SNS

若い世代では、何か情報を検索したり、欲しい物を探すときWeb検索をして公式の情報を見るよりも「まずはSNSで調べる」ということが定着しつつあります。

特に求職者が企業の公式の情報や採用ブランディングではなく

「現場の声」

を欲するのも当たり前の流れともいえます。

また、SNSは企業側だけでなく求職者の本当の姿も見ることができるのがSNSです。

「面接だけでは本当の姿がわかりずらい」

「少しでもミスマッチを無くしたい」

という場合はSNSを活用するのも求職者を知る判断材料の一つになります。

SNSは無料で簡単に情報発信ができるとなれば、活用しないのは勿体ないですよね。

主に使われているSNSはTwitter、Instagram、YouTube、LinkedIn、TikTokがあります。

②内定者・社員の紹介

内定者・社員に紹介してもらうリファラル採用も、人材紹介やエージェント、媒体を使わないダイレクトリクルーティングの一つです。

現場社員の紹介のため、マッチングの精度が高く、応募から採用決定する確率が高いと言えます。

また、入社前から会社の魅力、社風、業務内容の説明を受けているため、ギャップが起きにくく、会社に対して愛着を持ちやすい人材を集めることができます。

③スカウトサービス

候補者を厳選してスカウトメールを送るため自社にマッチした人材と出会える可能性が高いです。

ただし、スカウトメールはかなりの工数がかかるため、社内である程度のリソースを確保するか、外部に委託することが望ましいです。

ダイレクトリクルーティングのメリット

①転職潜在層へアプローチできる

「今すぐ転職したいわけではないが、いい条件があれば転職したい」

と考えている人が一定数存在します。

ダイレクトリクルーティングを活用することで、従来では出会えなかった転職潜在層にも積極的にアプローチすることができ、候補者の幅を広げ、優秀な人材と出会う機会を増やすことができます。

②自社にマッチした人材と出会える

ダイレクトリクルーティングでは企業から直接アプローチするので、企業側が求める人材像にマッチしている求職者に声をかけることができます。

また、最初から直接求職者とコミュニケーションをとることができるため、初期段階から求職者との距離を縮めることができます。

ダイレクトリクルーティングのデメリット

①採用担当者の負担が増える

ダイレクトリクルーティングは、採用候補者の選定、メッセージ文の作成、自社の魅力のアピールなど行うため、採用担当者の負担が増えます。

また、候補者一人ひとりと連絡を取り合う必要がありますし、企業側からアプローチしているのに対しレスポンスが遅いと求職者からしたら不信感を抱き、逆効果となってしまいます。

採用までのプロセスを完成させるまでには多大な労力がかかるため、会社全体で協力体制を作り、より効率的で負担の少ない採用活動を行えるようにしましょう。

②大量採用が難しい

ダイレクトリクルーティングは、一人ひとりに直接アプローチするため、大量採用には向きません。

候補者にメッセージを送ったとしても、必ずしもコンタクトを取れるわけでもないので、担当者の業務量によってアプローチできる人数は限られてきます。

そのため、ダイレクトリクルーティングは自社にマッチした人材を的を絞って確保したい場合に適した採用手法です。

大量採用した場合は、求人サイトのように一度に多くの求職者にアピールすることができる手法を活用しましょう。

ダイレクトリクルーティングサービスを比較検討する際のポイント

①自社の採用ターゲット

ダイレクトリクルーティングを始める前に、自社の採用課題を明確にしましょう。

そして、その課題を解決するためにダイレクトリクルーティングが適しているのか判断しましょう。

ダイレクトリクルーティングのメリット、デメリットでもお伝えしましたが、自社にマッチした人材を見つけることができていない場合はダイレクトリクルーティングを活用すべきです。

しかし、とにかく採用人数を増やしたいという場合は、ダイレクトリクルーティングを利用することでかえって非効率になることもあります。

ダイレクトリクルーティングを始める前に、まずは自社の採用ターゲット層を明確にしてから利用することを検討しましょう。

②母集団調査

母集団の大きさを事前に調べておくことも大切です。

「1ヶ月でターゲットとなる候補者がいない」

ということにならない為にも、サービス開始前に必ずターゲットとなる候補者人数を調べてもらうようにしましょう。

また、各メディアがどのようにしてユーザーを獲得しているのか?という点も調べてもらうとよいでしょう。

例えば、LinkedInは最近はスカウト待ちの登録が増えています。

中でも希少性の高い人材層のエンジニアなど、多種多様なビジネスパーソンが多く利用しています。

このようにユーザー属性を知ることで、どのメディアを通してアプローチするか?にして調べることも可能です。

新卒採用のダイレクトリクルーティング費用

新卒採用 ①成功報酬型

成功報酬型は、採用1人当たりの値段が決められており採用人数によって最終的な費用が変動する料金体系のことです。

費用が発生するのは、採用候補者が内々定を承諾したタイミングが一般的です。

内々定を辞退された場合は返金されるケースが多いですが、採用の可否に関わらず初期費用、利用料は別途必要になります。

新卒採用した場合の相場は1人当たり約30万円〜40万円です。

・初期費用30万円

・成功報酬30万円

・採用人数10名

トータルで330万円かかり、1人あたりの採用コストは33万円となります。

新卒採用 ②先行投資型

先行投資型は、固定で料金が決まっている料金形態のことを言います。

定額型とも言われています。

新卒採用の場合は、年間で60万円〜100万円が平均です。

・年間70万円 

・採用人数10名

トータルで70万円、1人あたりの採用コストは7万円となります。

中途採用のダイレクトリクルーティング費用

中途採用 ①成功報酬型

成功報酬型は「1人の採用につき〇〇円」と採用1人当たりの値段が決められており、採用人数によって最終的な費用が変動する料金体系のことです。

費用が発生するのは、採用候補者が内々定を承諾したタイミングが一般的で、内々定を辞退された場合は返金されるケースが多いです。

成功報酬型はコストが無駄にならずにリスクなく運用できるといったメリットがあります。

新卒採用した場合の相場は1人当たり約30万円〜40万円です。

中途採用の場合は、1人当たりの固定料金ではなく「利用料金+採用者の年収の何割か」で料金が発生するケースが多いです。

報酬の相場は15%程度が多いですが、勿論スキル、待遇、経験値などで前後します。

例)15%の場合

・年収400万で入社の場合→利用料金+60万円

・年収600万で入社の場合→利用料金+90万円

・年収900万で入社の場合→利用料金+135万円

中途採用 ②先行投資型

先行投資型は、固定で料金が決まっている料金形態のことを言います。

定額型とも言われています。

固定で料金が決まっているため、採用できる人数が多ければ単価を抑えることができ、採用に至らなかった場合は費用のみ発生します。

新卒採用の場合は、年間で60万円〜100万円が平均です。

中途採用の場合は、年間で300万円〜400万円が平均です。

ダイレクトリクルーティングを成功させるためのコツ

①組織全体の協力を得る

ダイレクトリクルーティングは、効果的に自社の魅力をアピールできるか?が採用成功に大きく影響します。

「この会社で働きたい」

そう思って貰えるために採用担当者だけではなく、経営層、現場の社員も巻き込んで組織全体の協力を得ながら進めていくことが大切です。

②結果をすぐに求めない

ダイレクトリクルーティングは従来の採用手法とは異なるため、これまで採用を求人広告や人材紹介会社などに頼っていた会社ほど結果が出るまで時間がかかります。

「1度やってダメだった」

「時間がかかりすぎるから従来の採用手法に戻そう」

とすぐにやめるのではなく、長期的な視点でじっくりと時間をかけて改善と分析を繰り返す必要があります。

③適切な採用戦略を立てる

ダイレクトリクルーティングでは、ただやみくもにスカウトメールを送っても大きな効果は見込めません。

候補者の経歴や自社の雰囲気から、自社に興味をもってくれそうな人材に対してアプローチする必要があります。

このような採用戦略や採用フローの管理は非常に大切です。

また、スカウトメールを送った候補者に、継続的かつ積極的に自社の情報を発信し続けなければいけません。

誰にどのように連絡を取ったのか?

誰がどのくらい自社に興味をもってくれているか?

候補者の情報を管理し、適切なタイミングで必要なアプローチができるような体制を整えておくことも大切です。