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自社の求める人材を確保するために、また自社の人手不足解消のために
「採用ブランディング」
を実践する企業が増えています。
そこで今回は、採用ブランディングに取り組む3つのメリット、採用ブランディングの発信手段について解説いたします。
採用ブランディングとは?
採用ブランディングは、採用において人材に出会い・選ばれるため「戦略的に企業をブランド化」することを言います。
採用広報と混同されがちですが、採用広報と採用ブランディングは目的が少し異なります。
採用広報の目的は、企業理解度の向上です。
企業で働くイメージを求職者に持ってもらうために
・具体的な仕事内容
・働き方
・職場の雰囲気
を発信していきます。
一方で、採用ブランディングの目的は、企業イメージの構築です。
人材獲得競争が激化する中で、企業ブランド力を高め他社との差別化を図り
「この会社で働きたい」
と思ってもらえるよう発信していきます。
採用ブランディングのニーズが高まっている背景
①人材獲得競争の激化
労働人口の減少により人材不足が続くなか、企業が求める人材の採用はますます難しくなっています。
採用ページに自らアクセスしてくれる求職者を待つよりも、企業が積極的に採用情報を発信することが求められています。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により企業は、数重視の採用から
「本当に必要な人材を確保する」
という質重視の採用に転換し始めました。
こうした背景が、各企業の採用ブランディングに対する関心度やニーズが高まっている要因と言えます。
②求職者はソフトな面を重視するため
今の求職者が企業情報で重視するポイントは
・企業理念
・組織文化
・社風
・ブランド力
・社員の雰囲気
直接目には見えない、人の働きが関わってくる「ソフト面」を重要視する求職者が多いです。
自社のブランドイメージを高め、他社との差別化することで求職者の心を惹きつけることができます。
採用ブランディングに取り組む3つのメリット
①採用後の社員のエンゲージメント(愛着)を高めることができる
「採用の成功」は、入社するまでではなく、入社後の定着率も重要です。
自社の企業理念や事業方針に共感し、愛着を持って入社してもらえるようにしましょう。
自社への理解が深まるような採用ブランディングができていれば、入社前後に感じるギャップも少なくなります。
早期離職防止・人材の定着・活躍に繋がり、企業にとって大きなメリットの一つと言えます。
②既存社員のモチベーションアップに繋がる
採用ブランディングを実施することで、既存社員にも良い効果を与えられます。
自社について発信していくことで、企業理解を再度深めることができ、責任感が芽生え仕事に対してのモチベーションアップにも繋がります。
採用ブランディングを始める際は、まず「インナーブランディング」を行うことが大切です。
社内で共通認識を持ち正しい認識を持った上で、社外に発信する採用ブランディングに取り組みましょう。

③企業規模に関係なく始めることができる
採用ブランディングはどの企業規模でも実施することができます。
「採用ブランディングってコストかかるんでしょ?」
と思う採用担当者の方もいるかと思いますが
メディア広告に出稿したり、自社の採用サイトを新たに制作するなどの場合はコストがかかりますが、自社の魅力を伝える手段は様々あるため、採用コストに余裕が無いという中小企業でもすぐ始めることができます。
採用ブランディングの発信手段
①動画
動画は、多くの情報をわかりやすく伝えることができるのが大きな特徴です。
視覚に訴えることができ、記憶にも残りやすく、強いインパクトを残すことができます。
スマートフォンが普及した今、動画は欠かせない情報源です。
文章や画像では伝えきれない職場の雰囲気や、企業の思いを伝えることができるため、採用ブランディングに最適です。
動画単体だけではなく、ブログやSNSなどと連携することでより効果を出すことができるでしょう。
②SNS
TwitterやInstagramなどのSNSも採用ブランディングにはとても有効的です。
SNSは多くの人が、当たり前のように日常的に使うサービスであり、拡散性が高いことからリーチできる人材の幅広さと人数の多さが最大のメリットとも言えます。
各SNSでユーザーの年齢層がことなるため、自社のターゲットとマッチしたSNSを選びましょう。
③イベント・ミートアップ
イベントやミートアップは企業の魅力を直接、求職者に伝えることができます。
イベントの企画のコツは、参加することでメリットのある交流会や勉強会を開催することです。
イベントやミートアップは長期的な視点で開催することが大切です。
すぐに反応があるというわけではないので、交流を重ね信頼関係を築いて自社のファンとなってもらいましょう。
採用ブランディングのステップ
①自社の現状を見つめなおす
今一度自社を理解することが大切です。
経営者、採用担当者、広報担当者、現場社員、求職者といった企業を取り巻く人たちにインタビューをしましょう。
偏った情報にならないよう、様々な側面からインタビューすることで企業の本当の姿を見つめなおします。
②どのような人をターゲットにするか考える
どのような人に伝えるかを設定しましょう。
採用したい人物像としてペルソナを作ります。
社内で活躍している社員をモデルにすると、自社が欲しい人材をより具体的に想像しやすくなります。
③採用コンセプトを決める
採用ブランディングでは
「求職者にどのようなイメージをもってもらうか」
というイメージ戦略が大切であり、そのためには採用コンセプトが必要となります。
採用コンセプトが曖昧なままだと、求職者に与える情報に統一感がなくなり、かえって企業イメージは下がってしまいます。
また、採用コンセプトを頻繁に変えてしまうと採用ブランディングの効果は発揮されないため、今現在のことだけでなく、5年後、10年後を見据えた採用コンセプトを作りましょう。
④採用サイト、SNSを充実させる
採用サイトで自社の魅力を発信していきます。
企業理念や仕事のおもしろさ、やりがいに感じることなどの情報をわかりやすい形で発信し続けましょう。
若い世代の多くは、スマートフォンで採用サイトを見ています。
「スマートフォンから見て見づらくないか?」
「古いホームページのままではないか?」
採用サイトの見た目やデザインはとても重要です。
どれだけ有益な情報が掲載されていたとしても、採用サイトが古いものや見づらいものであればサイトを見る気にはなれません。
採用サイトに加えてSNSの活用も重要です。
SNSは継続することが何よりも重要ですので、更新が止まらないよう計画を持って取り組みましょう。
⑤運用の継続
採用ブランディングは、一時的な運用では意味がありません。
企業の認知度向上、イメージの浸透には長期的に取り組む必要があります。
運用を継続する際、PDCAサイクルを回しながらブラッシュアップしていきましょう。
また、採用ブランディングを実施している際に、ターゲットの行動に変化が生まれる場合もあります。
その際は採用コンセプトは一貫しつつも、発信するツールや手段を変えるなど改善しながら取り組みましょう。
採用ブランディングを行う上での注意点
①採用ブランディングが浸透するまでに時間がかかる
採用ブランディングが浸透し、結果が出るまでには時間がかかります。
やり方を見直し、日々改善を重ねていく必要があります。
「SNSで情報発信したら終わり」
というものではありません。
一度始めたら、長期戦を覚悟した上で採用ブランディングの発信を心がけましょう。
まとめ
人材を確保できないと、企業は存続できません。
採用は企業にとって最大の経営課題とも言えます。
求職者から選ばれる企業になるためにも、採用ブランディングが必須となっています。
特別にコストがかかるわけではないため、失敗を恐れずにぜひ採用ブランディングを実践してみてください。
